ねぇもう嫌・・・
第25章 天邪鬼(アマノジャク)
『…俺にやって欲しい?』
目も開けぬまま小さく頷く。
もう、ダメなんだ。
何も出来ない。
悔しさに似た"人生の悲願"があまりにも醜くて
"私が出来ないこと"を蔑んで笑うことをしない柊先生にそんなことをぶつけても
柊先生は私の病気を治すことしか出来ない。
わかってるけど、私はずっと、やりたくないんだよ…
ズボンが下ろされ、パンツもスーっと足首から抜けた。
ウェットシートが入ったパッケージの形が崩れる音。
次に襲う感触は何だろう。
予想して。身体の反応を抑えて。
「っふ、っ…」
ひんやりとする湿ったガーゼが割れ目をなぞった。
頭に鈍痛が走ったような、全身が一瞬脱力するような
なんでこんなに震えちゃうんだろう。
やっぱり駄目だった…っ。
『我慢しなくていいよ。』
耳元で鼓膜を震わせる柊先生の声をどうして求めてしまうの。