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ねぇもう嫌・・・

第10章 心の声



「今日は…、柊の所の初診日?」



先生は不規則に私の背中をさする。



「うん…」



「どうだった?」



言葉が見つからない。



「ごめんね、僕から言えなくて。」



先生は柊先生が私に話したことをまるで知っているようだった。



「僕は陽菜ちゃんに__」



「大事に思ってるなんて嘘なんでしょ?
私が何も知らなければ全てが上手くいくって思ってたんでしょ?
私が何も知らなければ、ううん、"こんな事"さえ発覚しなければ、検査も治療もしなくたって良かったんだよ。
治りもしない病気に、わざわざ立ち向かっていく必要なんかなかった。
病気だって知らなかったら、もっと幸せに生きられたかもしれないのにッ」



先生の言葉を遮って、私は早口で捲し立てた。



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