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プリキュアアラモード♡和と優しさを

第2章 哀しみのエチュード


        ***

 体育の授業。私は、体育の授業が嫌いだ。ほら、まただ。二人組を作って下さいでは必ず先生と一緒になるし、着替えから戻ると何かひとつはなくなっているし。

 女の子は陰湿だ。男の子たちが居ないところで私に嫌がらせをする。こないだなんか、黒板に悪口を書いたであろう子が、「みらんちゃん大丈夫? こんなひどいことするの誰なんだろうね?」なんて言って、自分で消してた。私は見逃さなかった、密かにニヤリって笑った顔。

 だからって先生に言いつけたりしない。今の先生はことなかれ主義だから、私の妄想だってはねつけられるのは目に見えているもの。

 だけど今日ばかりは許せなかった。亡くなった母親からの形見のいつも持ち歩いている小さなドールのキーホルダーがなくなっていたのだから。

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