卑怯なボクは深海魚
第8章 闇が二人を近づける
「――――…先…輩…」
辻山は木の下まで来ると…
俺を見上げ――――…不安そうな顔をする
「月曜日…決勝――――…応援に来るか?」
困った顔をする…
――――だよな…月曜日…一般生徒は授業のある日だ
吹奏楽部と応援団はスタジアムに来るが…
辻山は授業の日だろう…
「――――…月曜日は…授業があるので…」
「なら…月曜日――――…手が震えないように…キスでもしようか」
俺は辻山を木に押し付けると…見下ろした
俺より…背が低くて…華奢な辻山…
「細いし…小さいんだな…辻山って…」
「///――――…」
赤くなりながら…うつ向く仕草は、今まで言い寄ってきた女たちとは違う反応だ…
そりゃぁ…シャイでこんな感じにする子はいたかが――――…
なんか、あざとく見えていた
でも、辻山のは――――…あざとく見えない…