卑怯なボクは深海魚
第9章 好きで…いいですか?
「――――先輩は…こっちに来たらダメなんです…
先輩には…ボクみたいな思いしてほしくない…」
ボクは――――…膝を抱えて…先輩を突き放す
「――――…ごめんなさい…キスなんか…して――――…ごめんなさい…巻き込んで」
「――――…なんだよ…それ…」
――――…先輩?
ボクは膝を抱えていて先輩の動きが解らなかったが…
隣にストンと先輩が座ったのを感じた
「――――…先輩?」
顔をずらして隣を見ると…
先輩がボクと同じ体勢で校舎を背に座っていた
「――――俺には…その【害】ってやつが必要らしい…」
「先輩…何を…言って…?」
先輩もボクと同じ様に顔を横に傾け…ボクの顔を見る
――――…かっこいい…さっきまで怖かったのに…やっぱり先輩は…かっこいい
「――――俺…クズだって言っただろ?
危ない事…しないと…死んじゃうんだよ…
【害】上等だ…かかってこいよ…
辻山も…そんなこと気にすんな…むしろ誘えよ、その世界に引きずり込めよ――――…
俺を…危険な目に会わせろよ…
それとも辻山は、俺と危ない事――――…したくないのかよ」
――――ゾクリ…
とした…
先輩のボクを見る目が…怖かったし…エロ…かった…
エロくて――――…目だけで…
イカされそうだ…
「先輩――――…先輩…」
「――――…ん?」
「先輩…好きでも……いいですか?」
「ご自由に――――…」
そっと触れた先輩の唇が…
ニヤッと笑った……
ボクは…欲張って…いいんですか?