卑怯なボクは深海魚
第1章 見なかった事には出来ない
「――――…その…制服…」
先輩はボクの制服を見て――――…目を泳がせる
「――――先輩?」
先輩は…ゆっくりとだがボクを見た
「――――…な、何?どうしたの?こんなところで…」
いかにも動揺している先輩を見て――――…
ボクの隠していた【欲】がうずき出す
憧れの先輩の手を掴み――――…こんなにも接近している…
ゴミ捨ての時にも触れた指――――…
でも、今は――――…ボクが主導権を握っている
どろっ――――……と、ボクの中から汚い【欲】が溢れる
「先輩――――…コンビニ…ボクもいたんですよ?」
ビグン!!
先輩の体が再びボクを警戒する
「――――な、何の事…?」
腕を振り払えば――――…ボクの手からはすぐに解放されるのに
先輩はボクの手をそのままに…体を固くする