卑怯なボクは深海魚
第10章 違和感のある感情
またまた、ポップコーンは器から飛び出し!辻山の膝にポロポロと落ちた!
「やっぱり、苦手なんじゃないかよ…早く言えよ――――…」
ったく…映画好きだから…こっち系の作品も観ているんだとばっかり思っていた!
「おい、そんなにダメなら…出ようぜ?」
「いや!先輩――――…楽しみにしていたの知ってます!最後まで…みましょう!ボクの事は…気にしなくていいですから!」
――――気にしなくていいですからって…
その青ざめた顔のやつを隣で楽しむ自信無いぞ?
「いや――――「大丈夫!大丈夫!」
ったく…コイツは…
「解った!後悔すんなよ?」
「///後悔はすでにしてますから!お気になさらず!」
――――プッ…変なやつ
「じゃ――――…ポップコーンそっち置け…こっちの手は――――…繋いでてやるから」
「///…は――――はい…」
俺は辻山と手を握り…スクリーンに向かう
多分…俺たちは映画の大事な部分を見落とした
でも――――…辻山の苦手な事を見逃さず…見れた気がした
「――――…怖いときは…観なくていいから…しがみついてもいいから…無理すんな」
このセリフ――――…
いつか彼女に言うもんだと思っていたんだけどな…