卑怯なボクは深海魚
第10章 違和感のある感情
それから…俺と辻山は手を繋いだまま
ホラー映画を観ることとなったが…
――――集中できない!はあ?コイツ…マジでダメなんだな!?ホラー映画!
握る手が…震えたり強く握られたり――――と、怖さが増してくると…辻山の反応もどんどん増えていく !
「ひっ!」「ぅわ!」「ぐぁ!」と、変な声も聞こえてくるしまつ…
女がホラー映画を見て出す悲鳴や声はセックスの時と類似する――――…なんて言うのを聞いたことがあるが…
辻山の喘ぎ声は…聞けたもんじゃねーな…
色気ないわ…
俺は、手を繋ぎながらビクビクと動く辻山に必死に笑いをこらえる
「///もう――――・・・無理…」
「///ん――――…」
辻山が俺の手をギューっと握りながら…ため息混じりで呟いた言葉…
俺は――――…心臓が跳ねた!
“もう――――…無理…”
ヤバイ…
今の――――…エロい