卑怯なボクは深海魚
第16章 積らぬ雪の運命
「え、ぁあ~…塾に行くんですか?ですよね?」
「やっぱな…一人で勉強するのも限界があるし――――…親がうるさいんだよ…行けって…」
大学受験まで…時間がない
塾に行きたいと言い出したのは俺なのに…
小さな嘘を――――…辻山にした
辻山は「ですよね?」と、疑いもしないで俺の塾行きを納得していた
最近…屋上で会う回数も――――…キスの回数も…減った
倦怠期カップルみたいで…そこの所は男女の付き合いと変わらないもんなんだな――――…なんて、気楽に考えてた
でも、俺たちの関係は…そこじゃ無い気もしていたから
最初は気にもしなかった