卑怯なボクは深海魚
第2章 止まらぬ震え
――――…あれから…
後輩を見つけ出せないまま…5日が過ぎていた…
これと言って…後輩からは更なる脅迫や金銭の要求などはない
本当に…あのキスだけでチャラになったらしい
「春太――――?春太ってば!聞いてる?」
「あっ――――?ん?聞いてるよ?」
昼休みは…彼女と一緒にお弁当を食べる
彼女の作ってくれるインスタ映えする可愛いお弁当を手に俺はボーっとしていたらしい
「春太?この唐揚げ美味しい?」
「うん、美味しい!全体的にバランスがとれてて毎回助かるよ!」
――――ウソ…
この唐揚げだって…冷凍食品だって解っている…
見た感じ…お米とプチトマト以外は…冷凍食品なんじゃなかろうか
バランスもへったくれもない…
だが、手料理なんぞ食べさせられるよりは…ましな気がするのは俺がひねくれているからなのか…