卑怯なボクは深海魚
第3章 戻らぬ日常
「掃除お疲れさん、帰るのか?」
菊池に声をかけられボクは振り向く――――…
「あ…うん…部活とかしてないし――――…」
「また、映画か?好きだよなぁ!今度、お薦めなの教えてくれよ!デートで行ってみるからさ!」
映画――――…と、聞いてビクン!と、反応してしまったが…菊池はボクの小さな動揺には気がつかなかった
「デ、デートって――――…菊池に彼女とかいたのかよ…」
「バーカ!これから出来るんだよ!こ・れ・か・ら!」
「これからかよ――――…気が早いな…」
菊池と話して…少し笑って――――…
重い気持ちが少しだけ軽くなった
彼女――――…か…
ボクも…先輩を早く忘れないと――――…