卑怯なボクは深海魚
第3章 戻らぬ日常
玄関で靴を履き替え――――…校舎を出る
校庭からは…部活動に励む生徒の声が聞こえてくる
試合が近いサッカー部の声もボクに届く
先輩にとっては――――…最後の試合…
勝ち進み…いい成績をおさめたいだろうなぁ――――…
グラウンドが見渡せる場所に差し掛かる
最近は、校庭からは反対の道を帰っていたが――――…
でも…
今日のボクは…校庭の横を通り――――…
帰る
ゴミ捨ては――――…拒絶したくせに
ボクは…何の意地なのか…
先輩の視覚に入る帰り道を選ぶ
隠れるなら…最後まで隠れて――――…いればいいものを
小さな…八つ当たり
彼女と――――…何事もなく…抱き合える…
いつもの先輩にたいしての――――…
八つ当たり…です…