卑怯なボクは深海魚
第4章 不愉快なオアシス
タオルを受けとり
手の震えを――――…
誰にもばれないように汗を拭くフリをして必死に押さえ込む
――――――――…と、
生徒が何人かグラウンドを見ているのが視界に入った
サッカー部の練習を見ながらキャーキャー騒ぐ下級生の女子たち――――…と…
遠くに――――…
「――――…あいつ…」
見つけた――――――――――――――――…
見つけた…
あいつ…あの――――…後輩…
あいつは…少し立ち止まり…グラウンドを見ると直ぐに歩きだした…
俺は、追いかけようとしたが――――――――…
休憩の終わりが告げられ――――…
監督に呼び止められた…
「長谷川、明日の打ち合わせするぞ」
「――――…はい」