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アカリさんは宣言通り十時にやってきた。
予想外だったのは十時からの二時間、全ての嬢の時間を買い取っていたこと。

「みんな、いつも頑張ってくれてありがとう。美味しいもの食べてゆっくり過ごしてね。あ、この時間のお給料もちゃんと出るから安心して」

たくさんの料理を運び入れさせ、にっこりと笑みを浮かべる。

どれもこれも美味しそうで目を惹かれるものばかりだけれど……従業員達は料理ではなく。


アカリさんに、釘付けだった。


ヒカリさんとそっくりすぎて、お互い支障をきたすからという理由でアカリさんは基本従業員の前には出ない。

今回もサングラスをかけている、けれど。

その美貌は隠しきれていなかった。

ヒカリさんにそっくりだということは隠せていても、その整いすぎたお顔立ちとご本人から感じるただならぬオーラはどうしようもない。
だだ漏れのそれのせいで、特に嬢達はあてられてしまったようだ。