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風鈴ちゃん

第1章 風鈴ちゃん


「風鈴が転がってるだけじゃないですか」

「え」

「女なんてどこにもいない。いたずらはよしてくださいよ」

警官は仏頂面でそう言い捨てると、僕が止めるのも聞かないで、部屋から出ていってしまった。

どういうことだろう。僕はあらためて女に目をやる。

女はうずくまったまま僕を見あげて、口元でにやりと笑った。そしてひと言、

「ちりん」

と言った。




(了)
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