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罪と罰

第1章 1

正直、眠るのが恐い。
夢とはいえ、まるで実際にそこにいるかのように感じるからだ。土を踏みしめた時の感触や口の乾き。意識は常に朦朧としていて、体が思うように動かない。やがて肉体は灼熱の暑さに溶けて腐っていき、骨になる。そういうやつもいた。それでも終わることのない道をひたすら歩き続けなければいけない。だからそこはまるで──。

その時、あるメッセージがきた。

『ブログを拝見致しました。単刀直入に言いますと、あなたの身は現在、非常に危険な状態にあります。もうすぐあなたの元に女性が訊ねて来るでしょう。しかし応えてはいけません。ドアを開けてはいけません』

メッセージをそこまで読むと、突然玄関のインターホンが鳴った。

「…っ…」

俺は玄関のドアをジッと見た。
タイミングがあまりにも良すぎる…偶然か?
友人かもしれない、家族かもしれない。はたまた宅配業者かセールスマンか…。
まさかそんな、誰かもわからない人物からのメッセージを信じるには、まだ証拠が足りない。

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