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罪と罰

第1章 1

メッセージの続きを読もうとすると、今度は玄関のドアが激しく叩かれた。

「…ねぇ、開けて。いるんでしょう?」

音が止むと、女のかぼそい声が聞こえてきた。
女性が訊ねてくる──メッセージ通りの出来事に思わず息を飲んだ。

気づけば周りから全ての音がしなくなっていた。
開けたはずの窓は閉まっており、外は真っ暗だった。唯一光を放っていたパソコンもいつのまにか電源がおちており、辺りは静寂な闇に包まれた。

俺は息を潜めながら、玄関のドアの向こうにいる得体のしれないものの気配に怯えた。

「──お兄様、怖がらないで」

「!」

「お願い、私を信じて。私の話を聞いて」

「……」

俺は恐ろしくてたまらなかったが、女が何者なのか知りたくなった。たぶん俺の夢と何か関係してるんだろう。俺はぼんやりと見える玄関のドアの前に静かに立つと、聞き耳を立てた。

「あぁ、お兄様…やっと会えるのね。あなたを探すのはすごく大変だったわ。だって私たち、あの世で引き裂かれてしまったものね…」

「……」

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