
秘密は守ります
第1章 仮面カップル
『それじゃぁ…“ヒメユキ”ちゃん、また…連絡するね――――…///好きだよ』
『///うん、私も大好き“トムポン”さん――――…またね…』
――――…リン、リンリン…リンリン――――…
風鈴の音が後ろ髪を引く感じに最後まで聞こえてきた…
――――ログアウトすると、私はパソコンの電源をオフにする…
「ふぅ~…今日も…激しく変態だったなぁ~…“トムポン”さん…」
私は、ベッドから起き上がると学習机に飾られた写真を手に取った
「今年も、皆で作った風鈴――――…使ってくれるんだ~、うれしい!」
そこには…一昨年小学校の卒業時…
皆で作ったモノを担任の先生に渡した時に撮られた写真が飾られている…
担任の先生に渡したモノとは…
ガラスに皆でカラフルに色を付けた風鈴…
そう、“トムポン”さんの部屋の窓辺に吊るされていた…可愛らしい風鈴である――――…
「――――先生、今年も綺麗な音色を奏でてたね~…
まさか…自分の教え子とこんな事になってるなんて…これっぽっちも思ってないだろうなぁ~」
去年の夏――――…
初めてテレビ電話で“トムポン”さんと話したときに…
あの部屋にあった風鈴を見て“トムポン”さんが先生だと気がついた――――…
でも――――…
私はこのバーチャルな恋人ごっこが気に入っている…
だから、先生――――…
秘密は守るから
もう少し―――…私と遊んでほしいな…
いっぱい―――…
エッチな事、教えてほしいから…
【完】
