笑い、滴り、装い、眠る。
第1章 Endless Game
翔side
その人の俺を見る目はとても優しくて、
収録中でも目が合ったりすると、さらに目尻がすぅーっと下がって、もっと、優しい顔になるんだ。
でも、それは、俺を含め、世間一般の誰もが知っている顔。
一度、人の目が離れると、
人が変わったように男っぽくなる。
5人での収録が終わり、
メンバーの相葉くんと楽屋へと向かう廊下で、
後ろから誰かが小走りで近づいてくる足音がして、
その誰かの手が、
すれ違い様に、俺の尻をつねってきた。
「ひゃっ!?」
ビックリして尻を押さえながら振り返ると、
その人は、少し前屈みになりながら、
小走りでニノの隣に向かい、二人で並んで歩き始めた。
雅「もー、リーダー、ってば翔ちゃんのお尻まで触ってんの?」
「と、いうと?」
雅「昨日は松潤のお尻触ろうとして怒られてたからさ?」
「そう…」
それ、多分、触ろうとしたんじゃない。
わざと触らなかったんだ。
どうしてか、っていうと、
それが、
俺らの『合図』だったから。
俺と智くんは、いつものように別々に帰るフリをして、
互いの部屋で会っていた。
その日は、
俺の部屋だった。