笑い、滴り、装い、眠る。
第8章 花梨―唯一の恋―
翔「その前に何処かでご飯でも食べてかない?」
「そうだな…いや、スーパーにでも寄ってくか?」
翔「え?何か作ってくれるの?」
驚いた拍子に、ようやく翔の拘束から解放され、俺は安堵の息を吐いた。
「ムダ遣いしたくないだけだ。」
翔「やったぁ♪大野さんの手料理。」
「おわっ!!また、お前っ!!」
また、翔の筋肉カチカチの腕が俺に絡んできで、グリグリと首筋に頬擦りする。
やることは可愛いけど……苦しい。
マッチョなリス、って感じだ。
「な…なに食いたい?」
翔「うーんとねぇ……」
ヒマワリの種とか言うなよ?(←(笑))
あ、それ、ハムスターだっけ?
翔「うーーーん……。」
「……。」
……どうした?
翔「……思い浮かばない。」
「お前、言い出しっぺだろが?」
翔「……大野さん以外に思い浮かばない。」
「はあ?」
翔「早く大野さん食べたい。」
視線を感じて辺りを見回すと、みんな引き気味でこっち見てた。