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笑い、滴り、装い、眠る。

第8章 花梨―唯一の恋―



が、気のせいだろうか?



女子のギャラリーが多いような気がする。



しかも、若干食い気味で。



て、ことは俺ら「そういう目」で見られてる、ってことか?



「お、おい翔。頼むから。マジで……」



見られてる、と、言うと、翔は顔を上げ辺りを見回した。



翔「みんな、俺たちのこと応援してくれてる……。」



ちょ…っと違うと思うけど(汗) ……?



お前、どんな脳内変換してんだよ?



「翔、頼む。離れてくれ。」


翔「……やだ。」


「やだ、じゃなくて。」


翔「だって、せっかく捕まえたのにまた、俺の手の届かない、どっかに行っちゃったら困るし。」


「……行かねぇ、って?だから……」


翔「だって…あの時だって、何にも言わないで行っちゃったじゃん!!」


「いや…だってあの時は急だったし。」



そう。あの時はホントに急すぎて、姉貴や園長先生ぐらいにしか挨拶出来なかったから、未だに連絡出来てない友だちも大勢いた。



翔「だからもう、離さない、って決めたんだ。」



すると、ギャラリーのあちらこちらから黄色い悲鳴やら指ぶえやら、



拍手まで聞こえてきた。


口々に「おめでとう」とか言いながら。



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