笑い、滴り、装い、眠る。
第11章 SUN SHINE
あれから家に帰ってからも智くんからはナゼの嵐。
俺としては別に悪口じゃないんだから、そんな気にする必要ないのに、って思ったから言わないだけだったのに、
その事が余計に気にくわなかったらしく、一緒に入ったお風呂の中でも問いつめられた。
「髪、乾かしてあげるからここ座って?」
智「……いい。」
ドライヤー片手に笑いかけるもそっぽを向かれてしまった。
怒っちゃったか…。
が、俺はめげずに智くんを無理矢理前に座らせドライヤーのスイッチを入れた。
「ほんと…変わんないなあ…」
少し俯き加減だった智くんの顔がピクリ、と動いた。
この独り言は捉え方次第では悪く聞こえてしまうことはあっても、悪口という訳じゃなかったから、
聞かれていても特に問題じゃなかった。
智「……やっぱり。」
「ん?」
智「やっぱり、悪口じゃん……」
俺はドライヤーを止め、まだ生乾きな智くんの頭を思いっきり掻き回した。
智「ちょ…ちょっと、翔くん!?」
智くんは守るように頭を手で覆いながら振り返った。
「智くんが悪いんだからね?」
智「俺が?」
「俺が悪口なんて言うわけないじゃん?それを……。」
尊敬することはあっても蔑むなんて、
万に一つだってあり得ないのに……。