笑い、滴り、装い、眠る。
第11章 SUN SHINE
智『キミ、ちっこいのによく頑張るね?』
今でも思い出せる。
笑いながら初めて俺の頭を撫でてくれた貴方の手。
当時の俺は年齢のわりには背が小さくて、それがコンプレックスで、
せっかく褒めてくれたその人の手を払い除けてしまった。
驚いたような貴方の顔。
瞬間、ヤバい、って思ったけど、貴方はゴメンね?と、俺に謝ってきた。
智「俺、なんか失礼なこと言ったみたいだから。」
って、こっちが申し訳なくなるぐらいに眉尻を下げて。
そんなことない、って言えないまま時間だけが過ぎていって、
気づいたら、俺は貴方の背丈を追い越していて、あなたの言うちっこい俺じゃなくなってた。
そして、高校卒業を控えた年、同じグループのメンバーとしてデビューも決まって、
密かに憧れていた人の側で仕事ができることに俺は嬉しさを隠せないでいた。
和「翔ちゃん、なんか、キモい。」
「何でだよ?」
和「分かんないの?」
キレ気味の俺に、ニノは鏡見てみろよ、と吐き捨て何処かへ行ってしまった。