笑い、滴り、装い、眠る。
第15章 TO You・・・
翔side
何回めかの誕生日を迎えたある日、唐突に、智くんにんなことを聞かれた。
智「あ、あのさ……」
「うん?」
智「誕生日プレゼント、何が欲しい?」
そうか、もうそんな時期か、と考えてると、
目の前で智くんが少しイラついたように答えを催促してくる。
でも、急にそんなこと言われてもなあ…。
ちょっと時間がほしい、と言おうとしたら智くんは急に真顔になって俺に耳打ちしてきた。
智「あのさ…間違ってたらごめん。翔ちゃんさ、俺のこと……」
……好きだよね?って。
びっっっくりして、智くんから2、3メートルぐらい後ずさった。
智「……そんなに驚くことかよ?」
「だ…だっ…だって…」
智「そんな引く、ってことは違ってたか……」
困ったように頭を掻く智くんの眉尻が益々下がった。
智「ごめん。今言ったこと忘れて?」
何事もなかったかのように去っていこうとする背中に俺は……
俺は口走ってしまっていた。
「ちっ……ち……違わない…です。」
俺に向けられた小さく丸まった背中が止まる。
「好きです……俺、あなたのこと。」