笑い、滴り、装い、眠る。
第15章 TO You・・・
智「それ……って……その……」
「そういう意味の……です。」
智「声、ちっちゃ。」
「あ、あ、当たり前でしょ?」
智「まあ、いいや。それを踏まえて改めて聞く。プレゼント、何が欲しい?」
「えっ…と……そのぅ…」
智「な、何だよ?その上目使いは?」
「智くん…」
智「え…?」
智くんの顔がみるみる真っ赤になっていく。
「智くんとの時間がほしい……です。」
智「そ…そっか…じ、じゃあ…」
「当日は仕事で遅くなるかもだけど……」
自分から言っておきながら、当日は仕事だなんて…
智「……待っててやるから。」
「え?」
智「年イチのめでたい日なのに先送りになんて出来るか?」
「…ありがとう。」
智「翔ちゃんちは散らかってるから俺んちに来い。」
「あ、ひどい。」
智「旨いもん作って待っててやるからちゃんと働いてこい。」
「ふふっ。分かった。」
そのまま帰ろうと背を向けるも呼び止められる。
智「ごめん。やっぱ、いいや。」
俺の背中越しに目を向けながら肩をポンポン叩く。
振り向くとニヤニヤしながらこちらを見る三人と目が合う。
舌打ちしたい気持ちを押さえながら智くんを見送った。