テキストサイズ

笑い、滴り、装い、眠る。

第15章 TO You・・・



とは言えこの状況、



このままだと俺が翔ちゃんにヤられちまう…



……って、思ったら、体が自然に反応して、あっという間に立場が逆になる。



翔「あ…」


「……逆だよ?」



そう、逆なんだよ、何もかも。



立ち位置も、



今の状況も。



翔「でも、元々智くんとは先輩後輩の関係だし、ダンスも歌も俺なんかよりも別格だし、立場なんて…」


「そこじゃなくて、翔ちゃんはちゃんと地に足付けて生活してんじゃん?」


翔「そんなの……普通じゃん?」


「そんな普通なことができてないから、俺は。」


翔「でも、何でも出来るじゃない?」


「あのねぇ…いつも言ってっけど、俺、天才なんかじゃないんだよ?」


翔「だ…って……」



視線をさ迷わせ言葉を探す。



いつもなら俺を論破出来てたはずなのに、うまく行かなくて焦ってる感じが伝わってくる。



……まったく…



「昔のまんまだなあ。」


翔「それ……誉めてんの?」


「うん。誉めてる♪」



翔ちゃんのおでこに、チュッと大きな音を立ててキスをしてやった。



翔「じゃあ…許す。」


「そう?じゃ、遠慮なく…」



暗がりに慣れた目は躊躇なく翔ちゃんの顎先を捉え指先で持ち上げた。



「チュウしていい?」



翔ちゃんはちょっと見開いて恥ずかしそうにこくりと小さく頷いた。



ストーリーメニュー

TOPTOPへ