
笑い、滴り、装い、眠る。
第15章 TO You・・・
智「じゃあ、しょうがないからこのまま一晩話でもする?」
「え?」
きょとんとした顔で見つめると、照れながら顔をそらした。
智「そ、そんな顔で見られると照れるんだけど?」
「ご、ごめん…」
俯き、絞り出すような声で謝ると、突然、智くんが抱きついてきた。
智「ごめん、翔ちゃん。俺、やっぱ我慢できないかもっ!!」
「ええっ!?」
こ、心の準備が!!
……とか言いながら、まあ、俺なりに色々と調べてはきたけど。
ちょっとドキドキしながら押し倒されたりしたらどうしよう?なんて考えていると、
智くんが大きな声をあげた。
「な、何?どうしたの?」
智「俺、お風呂まだ入ってない。」
「へ?」
そんなこと?
智「だって、せっかく翔ちゃんがお風呂入って待ってくれたのに……」
「べ、別に気にしなくても…」
智「ダメ。俺がイヤだから。」
智くんは俺から素早く離れ、小走りで寝室から出ていった。
