笑い、滴り、装い、眠る。
第15章 TO You・・・
ニノとそんな話をした後日談。
やっぱり俺と智くんは相変わらずキスから先に進めないでいた。
智くんは、本当は俺のことどう思ってるんだろう?
ホントに好きだったら、キスだけだって満足できる……
……と、思う。てか、思いたい。
でも、もっと俺に触れてほしい、なんて思ってる自分がいる。
ああっ!!もうっ!
行き場のない感情をぶつけるみたいに、俺は頭を掻き毟った。
和「そりゃあもう、死んだ方がマシ、って言葉通り痛いのなんの…」
「そ…そうなんだ…」
和「だから、どっちがどっちをやるのか、っていうのはすごく重要だと思うんだよね?」
「そっかあ…」
が、しかし…
和「まあでも、ちゃんとケアしてくれたらそうでもないけどね?」
「ケアって?」
ニノは「あの時」に必要になるであろう代物をスマホで見せてくれた。
それを見て驚く俺に畳み掛けるみたいにニノは言った。
和「実はね、女の子以上に気遣う必要があるんですよ?」
「……そうなの?」
よかったら、と、ニノは自分が使っているものを握らせてくれた。
何で持ち歩いてるんだよ?って突っ込む余裕がないまま俺はそれらを鞄にしまいこんだ。
で、今。
未だ俺は一歩が踏み出せずに立てた膝の間に顔を埋めた。