笑い、滴り、装い、眠る。
第16章 a little guy
流れで大野くんの家庭教師を引き受け監視員のアルバイトを辞める旨を、その日のうちに松本に話した。
「ごめん。せっかく紹介してくれたのに?」
潤「いいって?気にすんなよ?」
松本は笑った。
潤「大野くん、ってあの子だよな?いっつもマー坊にくっついてきてた。」
「そうそう。」
潤「そっかあ…可愛かったもんなあ、あの子?」
「は?」
松本の言わんとする事が解らず首を捻っていると、
頑張れよ?と、肩を叩かれた。
何を頑張るんだ?
潤「あの子、ずっと櫻井のこと見てたから…」
まさか…という疑念が頭を過る。
「あ、あのさ…もしかしたら、と思うんだけど、お前、変なこと考えてない?」
潤「変なこと?」
「例えば…その……俺と大野くんが…。」
潤「え?別に変じゃないだろ?例え相手が小学生と言えど、俺らまだ高1だし?そんなに年離れてないだろ?」
「いや…その……そこじゃなくて…」
潤「何だよ?何が問題なんだよ?」
何が?って…大有りだろが!!
潤「まだ小学生だってことに拘ってんなら卒業してから付き合ったらいいじゃん?」
「だから…」
俺は松本の思考回路について行くことを断念し、言葉を飲み込んだ。