笑い、滴り、装い、眠る。
第18章 これ、って公私混同…?
翔side
あれは今思い出しても赤面してしまう。
収録中だったしあんな言葉があの人の口から出てくるなんて、予想してなかったから……。
智「もう寝よっか?」
「……寝ます?」
俺ら5人でシェアハウスしてる、って設定での収録。
俺が飲みかけのお茶を飲み干そうと、再びカップに唇を近づけた時だった。
智「……一緒に寝よっか?」
噴きそうになった。
さ、智くん、何言ってんの?カメラ回ってるよ?
プライベートの俺らならまだしも……。
若干俺がテンパっているのに、智くんは容赦してくれない。
智「俺、先行ってるから♪」
えっ?ち、ちょっと……。
普段の俺なら、「うん♪」って、飛んでいくけど……
「な…生々しいわ、何か…」
ううっ…拒否ってるふりしなきゃならないなんて…
テレビだから行けないし…。
気づけば、智くんはもう、俺の部屋のドアを開け、にこにこ笑いながら手招きしていた。
ああ…智くん…
……じゃなくて、テレビだテレビ!これはテレビなんだ!!
俺は気を取り直してカメラ目線で言った。
「……皆さんが想像しているような関係ではございません。」
智「もう、翔くん、何してるの?早くおいで?」
「き、気持ち悪いわ!!」
部屋に引き入れようとする智くんの腕を泣く泣く振り払った。
智くん、ごめんね?
この埋め合わせは必ずするから我慢して?