
笑い、滴り、装い、眠る。
第19章 brothers
食事のあと、四人でしばらく談笑し、俺と翔くん、雅紀と弟くんとで各々部屋で寛いでいた。
翔「美味しかったね?潤の料理。」
「美味かったどころか…本格イタリアンじゃん?」
翔「ふふっ。ありがと。本人に伝えとくよ?」
翔くんは見るからに高級そうなカップの紅茶を一口飲む。
やっぱり分かんねぇな?
こんないいとこの坊っちゃんで、イケメンで賢くて、
それでいて優しくて…
翔「あ、智くん、口にクリームがついてる。」
「え?ど、どこ?」
ほら、ここだよ?と、翔くんの指先がぬっと伸びてきて、その指先のクリームを口の中に含んでニコッと笑った。
翔「うん。おいし♪」
「あっ…ありがと。」
……てか、今日の翔くん、なんかグイグイ来るな?
なんて、引いてると、翔くんが俺の隣にどかっと腰を下ろしてじっと見つめてきた。
翔「ねぇ、智くん。俺ら付き合ってどれくらいたったっけ?」
「えっ?……っとぉ…やっと1ヶ月ぐらい…かな?」
翔「もう……そんなたつんだ?」
「いや…まだ……じゃない?」
翔「もう……だよ?」
翔くん、ちょっと怒ってる?
翔「付き合おう、って言ってきたのはどっちだっけ?」
「俺…です。」
何だ?……ちょっと怖いんだけど…
翔「1ヶ月で、手しか握ったことない、って、どう思う?」
