笑い、滴り、装い、眠る。
第21章 ホワイトデー狂想曲
翔「ねぇ、聞いた?潤たちのこと。」
「ああ。他のコに目移りしてた、って話?」
翔「雅紀くんに殴られたんだって?」
アホだなあ…
俺は絶対にないけどな?
本館から送迎車がやって来て各々乗り込む。が、
潤の様子がおかしい。
どうした?
隣にいた翔くんが、得心したように頷いた。
翔「あの…送迎車のドライバーの人。」
「うん?」
翔くんが指差す方に目を向けると、細くて色白の若い男がいた。
翔「あの人じゃない?潤のよそ見の原因。」
「ほー…」
よく見ると翔くんほどではないが、童顔で可愛らしい顔をしていた。
「いっ………て!!」
翔「いつまで見てんの!!」
思いっきり耳を引っ張られてもんどりうつ。
「翔くんが見ろ、って言うから…」
翔「だから、って、そんなじっくり見なくてもいーじゃん?」
「すいません…。」
そんな俺らの後ろでは、潤が雅紀のご機嫌をとっていた。
大変だな?お互いに。
しかし、嫉妬する翔くんも可愛いなあ♪
昨夜も可愛かったけど。
翔「ねえ……何ニヤニヤしてんの?」
「ホワイトデー狂想曲」end.