笑い、滴り、装い、眠る。
第21章 ホワイトデー狂想曲
完全に意識を飛ばし横たわる翔くんのナカから自身を抜き体を起こす。
急に立ち上がったためか頭がくらくらした。
体…拭いてやらねぇとな?
やっとの思いで布団の中から抜け出し風呂場へと向かう。
洗い桶をお湯で満たし手拭いを浸し部屋に戻った。
途中、お湯を変えてこようと再び風呂場に戻ると、脱衣所に誰かが立っていた。
潤「あ、智さん?」
「潤か…どうした?こんな時間に?」
潤「いや…ちょっと……」
よく顔を見てみると、片方の頬が赤く腫れてて、時々、潤は綺麗な顔を歪ませた。
「……なんかあったのか?」
潤「べ、別に?」
興味ないから別にいいけど?
潤「そんなことより楽しめた?」
「……いや。」
潤「?アニキと喧嘩でもした?」
「そういう意味じゃねえ。ゆっくりは出来た。」
潤「じゃあ、ゆっくりじっくり、アニキのこと堪能できた、ってことだね?」
「お前な…」
その言い方……ま、いっか。
その通りだし?
「そういうお前はどうなんだ?」
途端、潤の顔が引きつる。
潤「も、もちろん、だよ?」
焦ってる。何かあったのか?
が、その理由は後で知ることとなる。