笑い、滴り、装い、眠る。
第22章 brothers・番外編
本館から迎えの車が来る間、俺は針のむしろ状態だった。
翔「フフッ。もー智くんてば♪」
「…。」
イイ気なもんだな?
一方で、雅紀を見ると無言で携帯をいじっていた。
そんな殺伐とした空気の中、一人の若い男が入ってきた。
えっ…?
和「お待たせしました。」
深々と頭を下げる目の前の男に驚愕する。
荷物を抱え、足早に出て行く雅紀。
「ちょ…ま、雅紀!?」
そんな俺らを、アニキたちが呆然て見ていた。
「雅紀…話を…」
雅「俺は話すことなんてないけど?」
散々な俺の姿を、ラフラブハッピーなアニキたちが半ば呆れながら見ていた。
数日後、ひたすら謝り続けた俺に雅紀がようやく折れてくれ、平穏な日常が戻ってきた。
雅「また、旅行行きたいね?」
「そうだなぁ…」
と、雅紀の肩を抱き寄せた時、見覚えのある顔が目の前を横切った。
俺はまさか?と、思いその姿を目で追いかけた。
その、まさかだった。
そいつは俺と目が合うと小さくペコリ、と、頭を下げ、足早に立ち去った。
雅「どうしたの?」
「へっ?」
声が裏返ってしまった。
雅「知ってる人とかいた?」
「い、いやっ!ひ、人違いだった。」
雅「・・・。」
雅紀の顔色が変わる。
雅「…帰る。」
「え?あ、ち、ちょ…雅紀ー」
後日ー
翔「潤、お前さ…」
アニキの知るところとなった。
「brothers・番外編」end.