笑い、滴り、装い、眠る。
第22章 brothers・番外編
翌朝、メシ時に俺をじっと見つめる目が。
翔「…。」
どうやら俺の異変は勘も頭もいい俺のアニキにバレてしまったらしい。
何か言いたそうに角度を変え顔を覗き込んでくるどんぐり眼から顔を外らすのを諦め、
俺はアニキからの追及を甘んじて受けた。
翔「何か…ヤバイことに巻き込まれてないだろうな?」
ちょっと、と、智さん、雅紀のいない場所に連れてかれる。
「ちげぇ、って?」
翔「じゃ、何なんだよ?それ?」
これだから頭のいい奴は…。
渋々ことの顚末を言って聞かせた。
ひと通り聞いたあと、アニキはデカいため息をついた。
翔「で?その従業員の人にちょっかい出してないだろうな?」
「そんなことしてねぇよ…。」
翔「じゃ、なんで雅紀くん、怒ってるの?」
「それは…その…雅紀に…見てんのがバレて…」
翔「何やってんだか…。」
アニキはため息をついた。
「よそ見ぐらい誰だってするだろ?」
翔「俺はないけど?」
「はいはい。ごちそうさま。」
もういいだろ?
翔「せいぜいご機嫌とっとけよ?」
背を向けた俺にアニキはお節介を投げ付けた。
そんなこと、朝飯前からやってるよ…。
モヤモヤした気持ちを落ち着かせるため、俺は外の空気を吸いに部屋の外に出た。
でもなあ…未だ気になってるのも事実。
『俺、そういう趣味ないんで。』
…釘さされたけど。