笑い、滴り、装い、眠る。
第23章 イチゴの気持ち
智side
「ケンカ?また?」
翔「…みたい。」
翔くんがため息をつく。
翔「潤のやつ問い詰めたら、例のあの子が目の前に現れたんだって?」
やっぱりか…。
雅紀、機嫌悪かったもんなあ…。
「仲良しなにーちゃんたちが羨ましい」、とか言ってたし。
翔「そんなことより…ねぇ、智くん?」
翔くんが俺にキスしてきた。
翔「今晩は二人とも実家に帰る、って?」
「お、マジか?」
翔「だから、さ…ね?」
「うん♪」
じゃあ、遠慮なく頂きます♪
早速、翔くんを床に押し倒す。
翔「もー、智くんてば何回言わせるの?ちゃんと寝室行こ?」
「え〜?!いーじゃん、べつに?俺らしかいないのに?」
翔「だぁめ!!」
「二人っきりだったら外でも平気なのに…。」
翔「やだよ。誰に見られるかわかんないじゃん?」
「てか、人目憚らずにヤりたい。」
翔「…捕まるから。」
「エロくてかわいい翔くんを見せびらかしたいんだよ。」
翔「り、理由になってないからっ!」
「しょーがないなあ…。」
翔「しょうがなくないの!!」
翔くんに腕を引かれて寝室に移動する。
待ち切れない、とばかりに翔くんに覆い被さると、翔くんは恥ずかしそうに笑った。
翔「もう…ほんと、せっかちなんだから…。」
翔くんはすっかり準備万端整った俺の先端を撫でた。
「せっかくのお誘いにはちゃんと答えないと?」
翔「フフッ。ありがと。」
俺を見上げ、色っぽく笑う翔くんの唇にキスをした…
…ところで、玄関ドアの開く音がした。
翔「誰か入ってきた。」
「ちょっと見てくる。」
ベッドから降り寝室から出たところで、フラフラした足取りで部屋に入って来た雅紀に出くわした。
「ま、雅紀?」
雅「に、にーちゃん…」
足取りの覚束ない雅紀をソファーに座らせた。
「何があった?」
途端、雅紀の目からは大粒の涙がボロボロとこぼれ落ちた。
雅「み…見ちゃっ…たんだ…。」
「見た…って…?」
雅「潤が…潤が…」
「潤が…どうした?」
しゃくり上げる雅紀の背中を擦った。
雅「あの子と…一緒にいる…ところを…。」