笑い、滴り、装い、眠る。
第25章 おクスリの時間です。
翔side
「ハァ…」
結局、智くんから押し切られ、
潤「これ、智さんから貸してほしい、って頼まれて…。」
「………。」
…って、弟の潤から渡されたナース服。
スカート、大分短いような…
潤「因みにだけど、雅紀に着せたら超似合ってて…」
…って、潤のやつ、ニヤニヤしながら言うもんだから引いた。
これだけ短かったら智くんサイズだな?
なんて、ナース服を自分の体に充てがいながら考えた。
やっぱ、気が重い…。
「失くしちゃった(汗)」とか何とかいってどっかに隠しちゃおうか?
と、それら一式をベッドの下に押し込もうとして、
既にその場所に、何かしらの物体(?)が置かれていることに気づき、恐る恐るそれに手を伸ばした。
なにこれ?
大きな風呂敷に包まれたそれを広げてみると、オシャレな柄の二組の男物の浴衣だった。
智「あーあ、バレちゃったか…」
智くんはバツが悪そうに頭を掻いた。
智「今度、花火大会があるだろ?それに合わせて用意したんだ。」
「そうだったんだ…。」
浴衣姿で寄り添いながら花火を眺める自分たちの姿を想像してニヤけてしまった。
智「こっちの、淡い色で模様のある方が翔くん、紺色のが俺。」
「ありがとう。すっごく嬉しい♡」
智「おわっ!」
思いっきり智くんに抱きつくとそのまま後ろに倒れ込んでしまって、
俺が智くんに覆いかぶさる形になってしまった。
「智くん…」
ああもう……アナタ、って人は。
愛しさ……と、いうより今の俺は性欲の方が勝ってて、
智「翔くん……」
見下ろすアナタの目の中の俺は発情したネコのようだった。
そのまま、折り重なるように唇を重ねると、智くんは体を起こして今度は逆に俺に覆いかぶさってきた。
智「あっ!!」
「えっ?」
何かに気づいた智くんが体を起こした。
智「カギ…閉めとかないと?」
「そ…そっか。」
これまで、いい雰囲気になりかけたところを、何度邪魔されたことか。
…まあ、俺らも逆に何度もやらかしてるけど?