
笑い、滴り、装い、眠る。
第6章 可愛いあの子は1コ下
「いててて…」
本番前。
一応顔が命なアイドルである顔を翔くんにひっぱたかれたおいらは、松潤からもらった冷えピタを頬に張り付け、赤みが引くのを待った。
和「しっかし、あんな状況でキスしますかね?」
雅「いやあ、俺ならするかも?可愛い和があんな至近距離にいたら。」
和「アンタなんかに聞いてないの!」
「だって、翔くん可愛かったし…」
和「可愛かったから、って、相手のイヤがることをやっちゃったら元も子もないでしょ?ましてや、翔さん真面目だし?」
「そっかあ…そうだよね?」
二人っきりの時はビックリするぐらい積極的だけど、
人目があるときはビックリするぐらいよそよそしいこともあるし。
そういうところがまた可愛くて…
和「…ダー、リーダーってば、何ニヤけてんの?もう本番始まる、って?」
剥がすよ?と、まだ赤みの引かない頬からニノが無情にも冷えピタを引き剥がす。
カメラに映んないようにしなきゃな?
でも、うっかり抜かれそうになってしまって、その度に翔くんが目で合図してくれて事なきを得た。
収録も終わり、お礼を言おうと、気まずいながらも思い切って翔くんに声をかけた。
