笑い、滴り、装い、眠る。
第6章 可愛いあの子は1コ下
足元がぽわぽわした状態で愛しの翔くんが待っているであろう家へと辿り着く。
翔「お帰り。遅かったね?」
おいらを出迎えるキュートな笑顔に頬が緩む。
しかも、エプロン姿で。
て、ことは翔くんの手料理?
翔「もうちょっと待ってて?ご飯になるから?」
「え?マジ?作ってくれてんの?」
翔「あ、でも、大したもの作ってないから。」
と、絆創膏だらけの手を然り気無く隠した。
ちら、とキッチン覗き込むと悲惨なぐらいぐちゃぐちゃになっていた。
「何作ってたの?」
翔「えっとね、炒飯。相葉くんから教えてもらったんだけど…。」
でも、キッチンからは美味しそうな匂いではなく、焦げ臭い匂いがが漂ってくる。
翔「ご、ごめん!!今、作り直すから!!」
背を向け戻ろうとする腕を掴み引き戻す。
「いいよ?今、そんなに空いてないから。空いてないけど、目の前にとびきりのご馳走があるから今はそっちの方が食いたい。」
翔「え……」
引き戻した体をそのまま抱き締めて、翔くんの唇にキスをした。
翔「…っ!?さ、智く…」
「うん。美味しそう。じゃ、さっそく…」
腕の中で赤くなる翔くん。
翔「も……バカ。」
こうして、今が食べ頃と色づいた翔くんに手を引かれおいらたちは寝室へとしけこんだ。
『可愛いあの子は1コ下』end.