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罪科の音色

第1章 1




 夜毎、私はあの音を聞く度に悪夢にうなされている。――それは一切我が家に飾られていない風鈴の音色だ。

 しかし、こんな真夏。それもこんな田舎町となれば1歩外に出ただけでその音を聴くのは必然のような物だった。

 ――――リンリン……と鳴り響く清らかでそれでいて涼し気な音。それを聞き涼しさを感じる者は沢山居るだろう。しかし、それを聞き罪科を覚えるのは――勿論私だけだ。

 
 そう、あれは三年程前の出来事。あの時選択さえ間違わなければ自分は悪夢にうなされる事など無かっただろう。
ただ、もう過去でしかない。

 情けない事ではあるが時間とは戻って来ないのだから。

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