罪科の音色
第1章 1
✝︎✝︎✝︎
その日、私は仕事終わりに何か食べて帰ろうと地元の大型ショッピングモールに立ち寄った。時刻は夜の7時。当然のように家族連れがごった返していたのを覚えている。
そして、季節は夏だった。
静けさを売りにしているのかBGMも一切ない中、あちこちの店舗に飾られている風鈴の音だけが幾重に響いていた。
――実に幻想的な光景だ。
エアコンはそんなに効いていない筈なのに実に涼しく感じる。その場に集まっている客達も、同じ空間と雰囲気を共有していると思った。
――そんな時だ。妙なものに目が止まったのは。
中央の広間にある噴水の近くに、佇むように子供がひとり居た。
親でも待っているのかと思ったがそれにしたって妙だった。
――やけに小さい。
そう、その子供(正しく言えば少女だが)はひとりにするには、余りに幼過ぎる年齢だったのだ。それこそこんな場所に置いていれば噴水で遊びださないかと心配になる程に、だ。
その日、私は仕事終わりに何か食べて帰ろうと地元の大型ショッピングモールに立ち寄った。時刻は夜の7時。当然のように家族連れがごった返していたのを覚えている。
そして、季節は夏だった。
静けさを売りにしているのかBGMも一切ない中、あちこちの店舗に飾られている風鈴の音だけが幾重に響いていた。
――実に幻想的な光景だ。
エアコンはそんなに効いていない筈なのに実に涼しく感じる。その場に集まっている客達も、同じ空間と雰囲気を共有していると思った。
――そんな時だ。妙なものに目が止まったのは。
中央の広間にある噴水の近くに、佇むように子供がひとり居た。
親でも待っているのかと思ったがそれにしたって妙だった。
――やけに小さい。
そう、その子供(正しく言えば少女だが)はひとりにするには、余りに幼過ぎる年齢だったのだ。それこそこんな場所に置いていれば噴水で遊びださないかと心配になる程に、だ。