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罪科の音色

第1章 1

 ✝︎✝︎✝︎

 それから3年はもう経っている。またあの季節がやってくる。

 彼女と出会った風鈴の鳴る季節。きっと彼女は私を忘れていないだろうし、許しもしていないだろう。

 確信できる。私もそうだからだ――。

 未だ悩まされる悪夢にはいつもあの子が出てくる。あの日、私の元から連れられて行くあの子の表情が。

 そして風鈴の鳴る季節――。毎年のように、我が家からは飾られてもない風鈴の音が、まるで怨嗟の声のように幾重にも鳴り響いていた。
 
 ―終―
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