ドラクエらんど【番外編】
第1章 1
黒田に言われたとおり、僕と風は町の酒場に向かった。あんな強いモンスターが出るなんて知らなかったし、このまま二人で戦うのはやっぱり不安だから仲間を探すことにした。
勇者の僕と、僧侶の風(ふう)。
そして本当はもう一人、戦士のシュンがいた。
シュンは洞窟のダンジョンで死んでしまった。
僕たち3人は幼馴染みで、ドラクエが大好きだった。ある時ドラクエのアプリをシュンが見つけて、僕たちは同時にダウンロードした。そしたらVRみたいに本当にゲームの中に入ったみたいになって、モンスターとリアルに戦ったりした。ゲームだからと軽い気持ちでクエストを進めていたけど、調子に乗った僕たちはダンジョンでゾンビに襲われて、シュンは死んでしまった。しかもどうしてかログアウトできなくて、そのまま僕と風は旅を続けるしかなくて…今に至る。
「いらっしゃい、ここはマリ子の酒場よ、うふ」
綺麗なお姉さんがカウンターで僕たちを迎えてくれた。見惚れていると隣にいた風が咳払いをした。
「仲間をお探しかしら? それとも仲間と別れる? それとも、モンスター討伐依頼の引き受けかしら?」
「仲間を…」
「ねーちゃん、ねーちゃん! いっちゃん強いやつ頼むわ、わいがぶっ倒したるでぇ!」
関西弁の男が横から割り込んできた。
僕が睨むと、関西弁の男は「ん?」とこっちに振り向いた。
「なんや、われ。自分もレア狙ってんか? これはわいが倒すんやからな、邪魔すなや!」
「…は? 全然違うし…」
「あん? なにをボソボソと言うてんねん、はっきり喋りや!」
なんか今日は本当についてない。
上から目線の黒田と、勝手にいちゃもんつけてくる関西弁の男から絡まれて最悪だ。
「なにしてんのよワッキー! あんたが順番抜かしするからこの方たちは怒ってんでしょ! 謝りなさいよ!」
「いてっ」
今度はツインテールの髪型をした女の子が現れ、関西弁の男の頭を背後から叩いた。
「ごめんね、うちらはあとでいいから、どーぞどーぞ!」
ツインテールの髪型をした女の子は関西弁の男の襟を引っ張ると奥に引っ込んでいった。
「なんなんだ…」
あんなのとは絶対に仲間になりたくない。
絶対に…。
勇者の僕と、僧侶の風(ふう)。
そして本当はもう一人、戦士のシュンがいた。
シュンは洞窟のダンジョンで死んでしまった。
僕たち3人は幼馴染みで、ドラクエが大好きだった。ある時ドラクエのアプリをシュンが見つけて、僕たちは同時にダウンロードした。そしたらVRみたいに本当にゲームの中に入ったみたいになって、モンスターとリアルに戦ったりした。ゲームだからと軽い気持ちでクエストを進めていたけど、調子に乗った僕たちはダンジョンでゾンビに襲われて、シュンは死んでしまった。しかもどうしてかログアウトできなくて、そのまま僕と風は旅を続けるしかなくて…今に至る。
「いらっしゃい、ここはマリ子の酒場よ、うふ」
綺麗なお姉さんがカウンターで僕たちを迎えてくれた。見惚れていると隣にいた風が咳払いをした。
「仲間をお探しかしら? それとも仲間と別れる? それとも、モンスター討伐依頼の引き受けかしら?」
「仲間を…」
「ねーちゃん、ねーちゃん! いっちゃん強いやつ頼むわ、わいがぶっ倒したるでぇ!」
関西弁の男が横から割り込んできた。
僕が睨むと、関西弁の男は「ん?」とこっちに振り向いた。
「なんや、われ。自分もレア狙ってんか? これはわいが倒すんやからな、邪魔すなや!」
「…は? 全然違うし…」
「あん? なにをボソボソと言うてんねん、はっきり喋りや!」
なんか今日は本当についてない。
上から目線の黒田と、勝手にいちゃもんつけてくる関西弁の男から絡まれて最悪だ。
「なにしてんのよワッキー! あんたが順番抜かしするからこの方たちは怒ってんでしょ! 謝りなさいよ!」
「いてっ」
今度はツインテールの髪型をした女の子が現れ、関西弁の男の頭を背後から叩いた。
「ごめんね、うちらはあとでいいから、どーぞどーぞ!」
ツインテールの髪型をした女の子は関西弁の男の襟を引っ張ると奥に引っ込んでいった。
「なんなんだ…」
あんなのとは絶対に仲間になりたくない。
絶対に…。