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Treasure of life

第11章 After the rain

side N

翔さんから連絡があって、声のトーンから、良くないことを告げられそうな予感はしていた。


「翔さんは……、俺が潤と友達なの知ってて俺に近づいたの?」

「それは違うっ!俺は…あのとき、和がほっとけなくて……、本気で助けたいって思ったんだ」

「本当…なの?」

「嘘じゃない。本当だよ」


俺を真っ直ぐ見つめる翔さんの瞳に、嘘はないと思った。

「わかった。信じるよ」



「ありがとう。最後に…信じてもらえて良かった」

「最後に……?」


「和……。

和から…俺を振って?」

「なんで……っ?」

「友達を陥れようとしたやつが恋人なんて嫌だろ?

和が『別れる』って言ってくれれば……、俺は諦めがつくから」

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