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Treasure of life

第11章 After the rain

「………バカだよ、翔さんは」

「全く、だよな……」

翔さんは頭をかきながら困ったように笑った。


そんな悲しそうな顔しないでよ……。


「俺は……別れない」

「…え?」

「あのとき、俺を助けてくれたのは紛れもなく翔さんでしょ?

翔さんは俺にとってのヒーローだから」

「和……」

「本当のこと言ってくれたから、もう…いいよ。

今回のこと……、全部後悔してんでしょ?」

翔さんは静かに頷いた。


俺は翔さんの…、頭いいのに、一緒にふざけたりしてくれるところも、誰かのことをほっとけなかったりする優しいところも……大好きだよ。


「あー、なんかお腹空いてきちゃったな〜。翔さん、俺ハンバーグ食べたい」

「和……。

こんな俺で……いいの?」

「うん。俺は翔さんがいい」

俺がそう言うと、ふわっと手が伸びてきて翔さんの温かい腕にギュッと包まれた―――。


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