
オオカミは淫らな仔羊に欲情す
第12章 予期せぬ……
3時間程費やして伯母との約束のお見合いを終えた
絢音は、まだ未練がましく縋ってくる見合い相手を
適当にあしらいさっさとその場を後にした。
伯母の顔を立てる為、とは言え、せっかくの休日に
3時間も無駄な時間を過ごしたのは精神的にも
かなりしんどいものがあった。
これで長かった1日もやっと終わり……。
アパートへ帰って、お気に入りのバスバブルで
ゆっくりと至福のバスタイム。
そんな、いつもと変わらぬ日常に戻れるハズ
だったが。
いつも日常には予想もしない誤算がつきもの
なのか?
夕方過ぎからポツリ、ポツリと降り出した雪で
外は一面の銀世界だった。
ホテルのエントランスロビーにある
大型液晶テレビのスクリーンに映っている、
ニュース番組でもこの季節外れの大雪で
都市の主だった交通機関は完全な麻痺状態に
陥ってしまったと報じている。
玄関前のタクシー乗り場は空車待ちの人々で
長蛇の列。
念の為にフロントカウンターで無線タクシーの
配車状況を問い合わせてみたけれど、
この雪で近隣のタクシーは全て出払っており、
待ち時間の予測は出来かねると言われた。
とりあえず、アパートに一番最寄りの駅まで
地下鉄で行って、そこからは歩くか?
根気強く無線タクシーを待つか?
それとも、いつ止むとも知れず未だに
降り続いている雪が止むのを、
ココでただヌボーっとしたまままつか?
そんな事を考えつつ、
ショウウインドー越しに雪空を恨みがましく
見上げていたら ――、
絢音は、まだ未練がましく縋ってくる見合い相手を
適当にあしらいさっさとその場を後にした。
伯母の顔を立てる為、とは言え、せっかくの休日に
3時間も無駄な時間を過ごしたのは精神的にも
かなりしんどいものがあった。
これで長かった1日もやっと終わり……。
アパートへ帰って、お気に入りのバスバブルで
ゆっくりと至福のバスタイム。
そんな、いつもと変わらぬ日常に戻れるハズ
だったが。
いつも日常には予想もしない誤算がつきもの
なのか?
夕方過ぎからポツリ、ポツリと降り出した雪で
外は一面の銀世界だった。
ホテルのエントランスロビーにある
大型液晶テレビのスクリーンに映っている、
ニュース番組でもこの季節外れの大雪で
都市の主だった交通機関は完全な麻痺状態に
陥ってしまったと報じている。
玄関前のタクシー乗り場は空車待ちの人々で
長蛇の列。
念の為にフロントカウンターで無線タクシーの
配車状況を問い合わせてみたけれど、
この雪で近隣のタクシーは全て出払っており、
待ち時間の予測は出来かねると言われた。
とりあえず、アパートに一番最寄りの駅まで
地下鉄で行って、そこからは歩くか?
根気強く無線タクシーを待つか?
それとも、いつ止むとも知れず未だに
降り続いている雪が止むのを、
ココでただヌボーっとしたまままつか?
そんな事を考えつつ、
ショウウインドー越しに雪空を恨みがましく
見上げていたら ――、
