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オオカミは淫らな仔羊に欲情す

第9章 季節はうつろう

  10月**日。くもり。

  今日は体育祭です。


  暑くもなく寒くもない、絶好の体育祭日和。

  今年は、隣町にある姉妹校との合同共催の
  体育祭なので例年の数十倍は盛り上がっている。

  

「ひゅー! あやちゃーん!」

「かわいい〜!」

「いずみせんぱ〜い! こっち向いてぇー」

「……」


  入場行進をする私にかけられる、
  『黄色い』声援……。

  この学校に入って、何故か同性にまでにモテる
  ようになった気がするし。
 
  あんな風に突然知らん子から声をかけられたり、
  同姓の後輩女子から告られた事もあったし、
  手紙をもらったりなんてことも続いていた。

  最初は、港南台って共学校でも、
  多少のレズ・ホモは大目に見るしかないか……
  とか思ってたんだけど。

  でも、このあからさまなレズっ娘は、
  一体なんなの?

  周りを見ればいっくらでもイケメンが溢れてる
  でしょーがっ!



「鮫島せんせーい!」

「きゃー! 素敵ぃぃっ!!」


  きゃーって……。

  あいつ、あの通り無表情のダサ男のくせに、
  意外と人気あるんだな。

  利沙曰く、あいつに群がる女子達はあいつの
  実家の家柄に惹かれているんだそう。
  
  いや、実際かなり仕事出来るし。

  運動神経も抜群と来てる。ん? 

  それに意外と面倒見いいとこもあるしなぁ。
  

  問題なのは、性格の歪みと一般常識のなさ
  ってだけで。
  いや、そこが一番の問題なんじゃないか!

  はぁ~……。

 

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