
オオカミは淫らな仔羊に欲情す
第9章 季節はうつろう
その時 ――!
後ろの方で『オイッ!』と、男の声がした。
一同一斉にその声がした方へ振り返った。
やって来たのは、室内着にサンダル履きという
軽装の竜二だった。
コンビニからの買い物帰りなのか?
片手に小さなビニール袋を下げている。
「せ、先生 ――?!」
「おぉ! 化学のぐうたら教師も来おったか。
こりゃ手間が省けてちょうどええわ」
「だぁれが、ぐうたらだってぇ?」
(あぁ、もうっ ―― ひとりでカタつけようと
思ってたのに……っ)
「帰るぞ絢音」
と、絢音の手を引いて、竜二が数十歩進んだ所で、
やっと男達は我に返り、ザザッと2人を
取り囲んだ。
兄貴分の男は茹でダコの如く顔を真っ赤にさせ
怒鳴り散らす。
「てめっ、いきなり横っちょからしゃしゃり
出てきおって、人のもんかっさらっていくたぁ、
とうゆう了見や?!」
力ずくで絢音を奪還しようとするが、
その数秒後には竜二の投技によって、
綺麗に空を切り兄貴分の男の体は無様に
地面へ叩きつけられた。
「あ、兄貴ぃ?!」
「さ、さどやまさんッ!」
「いたたたたた ―― てめぇ! よくもヤり
やがったな」
したたかに打ち付けられて、かなり痛むだろう
腰の辺りを手で擦りながら立ち上がり、
竜二と対峙する。
竜二は先ほどまでの、のほほ~んとした
雰囲気からは口調も態度も、ガラリ変わった。
「サドだかマゾだか知らねぇが、この和泉絢音は
オレの女だ。気易く手出しする野郎には地獄を
見てもらう」
”佐渡山”と呼ばれた、兄貴分の男は
仲間達を見渡し声を荒げる。
後ろの方で『オイッ!』と、男の声がした。
一同一斉にその声がした方へ振り返った。
やって来たのは、室内着にサンダル履きという
軽装の竜二だった。
コンビニからの買い物帰りなのか?
片手に小さなビニール袋を下げている。
「せ、先生 ――?!」
「おぉ! 化学のぐうたら教師も来おったか。
こりゃ手間が省けてちょうどええわ」
「だぁれが、ぐうたらだってぇ?」
(あぁ、もうっ ―― ひとりでカタつけようと
思ってたのに……っ)
「帰るぞ絢音」
と、絢音の手を引いて、竜二が数十歩進んだ所で、
やっと男達は我に返り、ザザッと2人を
取り囲んだ。
兄貴分の男は茹でダコの如く顔を真っ赤にさせ
怒鳴り散らす。
「てめっ、いきなり横っちょからしゃしゃり
出てきおって、人のもんかっさらっていくたぁ、
とうゆう了見や?!」
力ずくで絢音を奪還しようとするが、
その数秒後には竜二の投技によって、
綺麗に空を切り兄貴分の男の体は無様に
地面へ叩きつけられた。
「あ、兄貴ぃ?!」
「さ、さどやまさんッ!」
「いたたたたた ―― てめぇ! よくもヤり
やがったな」
したたかに打ち付けられて、かなり痛むだろう
腰の辺りを手で擦りながら立ち上がり、
竜二と対峙する。
竜二は先ほどまでの、のほほ~んとした
雰囲気からは口調も態度も、ガラリ変わった。
「サドだかマゾだか知らねぇが、この和泉絢音は
オレの女だ。気易く手出しする野郎には地獄を
見てもらう」
”佐渡山”と呼ばれた、兄貴分の男は
仲間達を見渡し声を荒げる。
