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幸せの欠片

第15章 変わる。


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「心配してたんだけど」

どこか拗ねたように唇を尖らせた相葉さんが、ジト目で俺を見つめた

検査入院した3日間、相葉さんにメール1つ打たなかったからだ

「ごめん」

「何回メールしても返信はないし、掛けても留守電に変わっちゃうし」

「…ごめん」

電源を切っていたのは意図的だ

相葉さんからメールや電話があれば、入院してる事を隠せなくなると思ったし

弱音を吐きたくなる気がしたから、敢えて見ないフリをしていた

「ねぇ、かず?」

ふわり、と相葉さんの手が俺のそれに触れる

「…俺は、そんなに頼りにならない?」

悲しげな声色に、ハッと顔を上げた

「かずは、まだ何も話してくれないね
そりゃ、無理に言わなくていいって言ったのは俺だけど……」

「相葉さん…」

話したら、相葉さんはどう思うだろう

でも多分、…いや、絶対

相葉さんならそれでも俺を受け止めてくれる、…そんな気がする

ー…自分勝手だけど



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