幸せの欠片
第4章 友達の定義
楽しい、と思った
こんな話が出来るとは思ってなかった
人に話すような事じゃないのに、何だか話したら胸のつかえが少しだけ取れたみたいで
これが “友達“ と言うものなんだろうか
だけど俺には、それが良く分からないし
まだ相葉さんに対して全て晒け出した訳じゃない
「ねぇ、かず」
「なに?」
「今日、何があったかはまだ話したくない?」
いきなり俺が相葉さんに電話をした理由
何も言わずに俺をこうして連れ出してくれたのは感謝してる
だけど
「あの…「ああ、ごめん。俺が無理に言わなくていいって言ったのにね」」
俺が言い掛ける前に、相葉さんが首を振って苦笑した
そして
「気分転換になったなら、それでいい」
言い淀む俺に、相葉さんはそれ以上何も言わなかった
そろそろ帰ろうか、と言った相葉さんに従って車に乗ってからは
どことなく重い空気が車内に流れていた
相葉さんは俺に凄く気を遣ってくれている
俺はそれを良い事に胡座を掻いている
これが “友達“ ?
こんなの俺が甘えてるだけじゃないか